「指紋認証」

指紋認証ッテ,知ッテルカ?

タッチ一発デ,認証デキルンダ.

 

電源が落ちるたびに6桁も入力することに辟易していた私は、とにかく楽をしたかった。

それでも、突然盗難にあったときに知らない魔の手に弄くり回されるのだけは死んでも絶対に嫌だった。

 

どうするか?

 

そんなときにふと「指紋認証」ってあったよな〜ということに気づく。とりあえずやってみるか。

 

先ずは、指紋の登録だ。指を右に、左にと執拗に拇印でもなすりつけるかの様に押しつけさせられる。

その後、6桁のパスコードも入力してくださいと出る。楽をしたくて指紋認証するのに、使うわけねーだろと直感的に入力してゆく。

 

そして無事、終了。なるほど、これは便利だ。タップが嫌いなので、助かる。

 

ちょっと電池が足りないので、とりあえず電源を落とす。カバンに押し込み、家を出る。

 

それから、ふと電源を入れる。すると、

パスコードを要求された。

えっと、これは。一瞬頭が真っ白になって、詰んだ。確か3と2が最後にくるかな位しか覚えていなかった。

 

買い物に行く予定だったのに、ただの塊と化したiPhoneをかかえて、降りる予定ではない駅で降りて、とりあえず「マイドコモショップ」に向かった。

 

結局、それも徒労だった。結論を言うと、自分でPCに繋いでiPhoneリセットして下さい。初期化するしかないです。という事だったらしいのだ。

6桁のパスコードが招いた悲劇だった。オマエは大人しく6桁を入力してれば良いんだよと言われた気がした。その通りだった。

こんなことを思いたたなければ(たられば・・)わざわざ駅から若干遠いドコモショップにウェッジサンダルで日照りに遭いながら歩くことも、起こりえなかったのに。

 

なぜパスコード忘れたくらいのことでiPhoneが真っさらに初期化されないといけないのか。少しムカついて、壁ドンした。少し涙も出た。

 

無事開いたiPhoneは真っさらだった。初期待ち受け画面だけが、無駄に画質が良くて美しかった。画像は、当然の如く0件だった。ショックで3回くらい、繰り返し開いてしまった。

 

溜息と共に、iPhoneを放り投げる。

 

ちなみにこの件で痛感したのは、パスコードは適当に入れるのはダメだということではない(もちろんそれも論外なのだが)「とりあえずPCやタブレットと同期しておけ」という事と、「iCloudにしっかり溜めておけ」という事だったのだ。

その2点(どっちかでも十分)があれば、どうにでもなる。

 

というのも、こうやって冷静に反省できるのは、iCloudのお陰でなんとなんと、復元できたからなのだ。

1度目はiCloudの復元を諦めた操作をしたのだが、思い立って再リセット、復元、すると、すっかり元通りではないか。ちゃんとiCloudは、データを吸って、溜めてくれていた。

 

どれ位元通りかというと、拘りの「ラインの過去バージョン限定の葉っぱアイコン」がそのままだったのだ。ラインの葉っぱアイコンが異様に気に入っていたので、諦めていたが大変嬉しかった。

 

火をふくように熱くなった復元後のiPhoneを優しく握る。