「笑いのツボ」

 

 

なんか、どうやら、私はちょっと危ない笑いのツボがあるらしい。(最近気づいた風に言ったが、小学生あたりから心当たりがある)

 

この間、こんな電車に乗り合わせた。

車窓から見える景色は完全に暗かったので、18時頃だったかと思う。

 

その一本の電車の、着席した位置からの視界には、こんな人達がいた。

 

・左脇には読書してるおじさん

・右傍にはソシャゲ的なの(戦乙女っぽい美少女イラストがチラリと見えた)を熱心にやっている青年

・反対側、正面に絵に描いたように口がへの字の顔つきが独特な強面のおじさん(マスクを顎まで下げている)

・そのおじさんの向かって右脇にとくに印象のないうとうとした人

 

そんな感じで割と、ごくごく平凡な、ありふれた乗車風景が広がっていたんだけど、

 

空席があるのに席と席の間の電車の中心部に立っていて、尚且つ何やら変なアプリを一生懸命入力している?人がいた。

 

それは、文字を打つとそれに準じて声が出るみたいな、意味不明な発声を繰り返している変なアプリだった。

 

それをずーっと夢中で繰り返していて、私は結構気になってしまったんだけれど、周りをチラリと見回しても誰も1ミリも気にしていないようで、笑うどころか、見もせず、全くの無関心だった。

 

お疲れモードの乗車客ばかりの静かな列車の中に、奇妙な音声が薄っすらと響く。

 

それが、どうしたものか、すごく笑えた。

 

その男性がアプリを繰り返しているという事実だけなら、多分笑えなかったと思うのだけど(訝しく、もしくは不快に思うだけだったと思う)、その誰も可笑しさを感じていない、自分だけがソワソワしている感じが堪らなく可笑しかった。

 

今思い返しても、別に面白いっていうほどのことではなかったとは思う。むしろ、自分に引く。

 

しかし、その当時の私はとにかく込み上げてくる可笑しさを抑えるので必死だった。

 

笑ってはいけないところで、可笑しさが抑えられない。

 

うまく言いたいのに伝えきれないのが何ともモヤモヤするけれど、笑いってタブーなときこそ溢れてしまう気がする。

 

人気芸人さんのコントとか、仲間内の冗談だとか、そういう「陽」の括りも笑いなのだけど、

 

「陰」の笑い(仮にそういうカテゴライズにしておく)も、これまたジャンルの違う笑いなんだなあと感じる。

 

共感されない、陰の笑い、きっとみんな有るんじゃないかなあ。