「耽溺」

 

下の画像はというと、幼虫の餌である。

 

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ナツミカン、パセリ、グレープフルーツ、サンショウ。

 

 

 

庭で、これらを毎日のように収穫している。

 

なんやかんや、羽化の嬉しさに味をしめた私はアゲハの育成が加速しているのであった。

自分でもすこし驚くほどには数ヶ月間、没頭している。

 

前回の記事でレアキャラのクロアゲハだと思っていた幼虫は、ナガサキアゲハという黒系アゲハの幼虫だった。

その後、それはそれは見事な姿で羽化してくれ、今では一番のお気に入りのアゲハだ。

 

雌のナガサキアゲハが家の裏に飛来した姿を初めて肉眼でみたときは、幻かと思った。(鳥肌が立った)なぜなら、

ネットの情報だけでしか知らなかった憧れのアゲハだったから。まさか、自宅周辺に発生するとは予測していなかったから。

夏蜜柑の大木の周りをくるりと、またはヒラヒラと優雅に舞っていた姿に対する驚きと、息をのむような感動は忘れられない。

 

・・とまあ、こんな感じの状態なのだ。
この思い出(熱)を何かに昇華したいし、備忘録としては残したいしパート3を綴っておこうと思う。
 
唐突に、飼育していてグッときた瞬間をとりあえず「ランキング」という形で、発表しておく。なにもかもが唐突なのでこの記事をたまたま読んでくださった人には支離滅裂な印象を与えてしまうかもしれないが、許してほしい。
 
 
3位。「前蛹」
幼虫と蛹の中間地点のその様は、蛹っぽいイモムシ、またはイモムシっぽい蛹、という風貌。
胸脚はまとまるように揃い、腹脚は半透明に透けつつ規則的に連なり(可愛い)眼状紋の表情(?)も食草を齧っていた頃とは様変わりする。蛹化が近づくにつれ、背中に蛹の模様が透けてきたり、蝶自体の種類や決定された蛹の色によっては変色が著しくなる。
くの字状というか弓なりというか、そんな感じの生き物らしくない奇妙な姿だが美しい。
ぴたっと張り付き、休んでいるような姿から徐々に縮んでゆき、さらには脚が浮いてゆく奇妙さを堪能してほしい。

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2位 「羽化の瞬間(蛹から脱出する瞬間)」
基本気がつけば蝶の姿になってしまっているほどに羽化はスピーディーだが、たまに羽化の瞬間に立ち会えることがある。出てきたばかりの姿は翅と体のバランスがカイコなどの蛾類のようだ。翅が縮れて小さく、それと相対的に体が大きく脚が長くみえる。
必死な形相(私の主観)で蛹の手前の位置にしがみつく。完全に丸腰という感じでどこか愛らしい。ぱたぱたと翅を開閉させ、30分ほどで蝶の姿に変容する(その時点ではまだ乾ききっていない)。

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1位 「帯糸をかけている姿(前蛹前の準備)」
前蛹になる前に、蛹になる場所を決めるとその場所に糸をはいて体を固定し始める。基本夜にやるので、寝ていて見逃すこともあるのだが、たまに見られると感動する。
糸をかけるという複雑な動作が本能のみで突き動かされていることに驚く。宙に向かって体を何度も左右に反らせたり(蛹のくびれの部分にかかってる帯糸もこの時に壁に対しV字に自力で括っている)頭が下になる逆さまの体制に切り替え、蛹の尻の部分にあたる箇所にしっかりめに糸をはいたりする。
己が次第に蛹に変態することを当然にわかっている、誰に教わるでもなく頃合いを見計らって変態する。それを不思議に思う。
体を思いっきり反らせる仕草は、ムッチリした終齢の体つきと胸脚を際立たせる愛らしさもあるので是非堪能していただきたい。もちろん糸をはく口元にも注目。とにかく愛らしい。そして、なぜか涙腺にクる。

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・・と、ついつい好きなことに関しては饒舌になってしまうオタクの性。
 
 
 
行きつく先というべきか、このまま一体何頭羽ばたかせれば満足するのか?自分でもわからない。それでも庭の植物で発見したタマゴ・幼虫を羽化させることはうちに立ち寄る蝶の種類も知れるってことでもあるので、何とも奥が深いような気がするのだ。
 
何気なしに庭を巡回し、そしてくりかえしてしまう。
 
それでも、アゲハ類の飼育は今だけというか夏だけの期間限定になってしまう趣味なので、心ゆくまで堪能しておきたい。
変態してゆく姿は、たとえ10回以上見ていてもワクワクするから不思議だ。
 
 
あと、思ったことが。
タマゴ、一齢、二齢、三齢、四齢、五齢(終齢)、前蛹、蛹、成虫と段階を踏んで成長を観察するとその種に対する思い入れ・単純な知識量が全く変わってくる。
それらの種が飛んでいる姿を見れば、間違うことは以前に比べ断然少なくなるし、生まれたばかりの姿ですら同定できることもある。終齢幼虫でさえ違いがわからなかったのに。
うまく言語化できないけれど、経験からくる何らかの観察眼が鍛えられたような気がする。どこが違うのかわかっていると、判断基準としてそこにすぐにピントが合うのだ。
 
それより何より、例えば
ナミアゲハ」を身近に感じられるようになる。
 
その感覚はこれまた形容し難く、とても幸せな気持ちにさせる。